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【CT125】相方怪造計画! サブコン・ビッグスロットル・エアクリーナー篇

みなさんこんにちは。
カイザーベルク御宿・月の沙漠支配人の脇阪です。
今回は、私のCT125をカスタムする「相方怪造計画!」をお送りします。

半年ほど前に甲信越方面に抜ける中央自動車道をクルマで走る機会がありましたが、その時に何とCT125がこの中央自動車道を走っているのを見かけました。
「自動車専用道路なのにマジかよ!」と思いましたが、CT125の排気量を上げて150~180㏄くらいにし、ナンバーを軽二輪で登録すれば可能は可能という事は知っていました。
とはいえ、単にそれだけでは高速道路を走るには十分なカスタムとは言い難いのも事実で、実際にはそれ以外にも多くの部分に手を入れてようやく高速道路を走れる状態にしてあるのだと思います。
まあ、私はそこまでやるつもりはありませんが...。

話は逸れましたが、今回私の相方「CT125(JA65)」に組むのはこちら!

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・サブコンピューター「FI-CON TYPE-X」
・ビッグスロットルバルブ
・純正交換型エアクリーナーフィルター
の3つです。
いずれもSP武川製です。

いずれも吸気と燃調に関わる部分で、マフラーは既に交換してあるので今度はついにサブコンピューターによる燃調補正を含めたカスタムを行っていこうというものです。
これでわしの相方も一皮むけた存在になるのだ!わはは!

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今回は大手術になります。
まずはこの相方の外装をほぼすべて取り払わないといけません。
何せこのサブコンピューターをつなぐECU(エンジンコントロールユニット)は燃料タンク下にあるうえ、一度外してリアインナーフェンダーの上に置かなければならないというものです。
ちなみに作業したのは1月2日の午前9時からです。
正月から相方の解体ショーの始まりや

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とりあえず全部バラしました。
SP武川のサブコンの取説はわりと細かく、外装脱着の手引きまで書かれていますのでそれに従って行いました。
とはいえ、素人の私ではこの状態にするのに約3時間かかりました。

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なお、右サイドカバーを外すときにカバーのツメを折ったもよう
プロのサービスマンだったら始末書ものですね。

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とりあえずまずはこのサブコン「FI-CON TYPE-X」を組んでいきます。
このFI-CONはサブコンピューターと呼ばれる方式の燃調補正装置で、純正のECUとその情報を送るメインハーネスの間にかませる形で装着し、純正ECUが送り出した指令をこのサブコンが補正して実際の燃料吐出量や点火時期などの仕事に影響させるというものです。
ハーレーとかのカスタムでもよくあるやつですね。
ちなみに純正ECUを取り出してパソコンとかで直接データを書き換えるのはリプログラミング、純正ECUを取り払って全く違うECUを取り付けること、またはそのECUの事は「フルコン」と呼ばれています。
サブコン方式は0から燃調プログラムを作る必要が無いので比較的手間が少ないわりに調節できる範囲や細かさが広いのでインジェクションチューニングの中ではわりとメジャーなものだったりします。

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というわけで取り付けました。
前述の通り燃料タンクの下にある純正ECUを一度メインハーネスから取り外してサブコン本体をそこに入れ、サブコンから伸びているカプラーをそれぞれ純正ECUとメインハーネスに接続します。
この写真だとわかりにくいですが写真上部のシートレールの上に挟まっているのが純正ECUで、画面下側のやたらたくさん伸びている黒い配線の下にある黒い箱がサブコン本体です。
かなりぎっちぎちです。
再度外装を取り付ける際はできるだけ線が熱い所や狭い所などに挟まらないようにしましょう。

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バイクのリア側の外装をある程度元に戻したら、次はビッグスロットルバルブの取り付けです。
SP武川製のビッグスロットルバルブは内径が28φと250㏄バイク並みにデカくなり、より多くの空気をエンジンに送り込むことができるというものです。
ただし燃調補正はほぼ必須となるので、今回サブコンといっしょに組んでみることにした次第です。

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純正のスロットルバルブ(右)と比べてみてもその差は明らかです。
ちなみに純正スロットルバルブに付いているセンサーやガードなどの小物類は大半を流用します。

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組んでみました。
スロットルワイヤーの遊びもちゃんと調整しております。
純正かっていうくらい収まりが良いです。

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エアクリーナーボックスのダクトとも接続して完了です。
そして最後はエアクリーナーのフィルターです。
今回は純正交換タイプのエアクリーナーフィルターです。

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一番上がエアクリーナーボックス、真ん中は純正エアクリーナーフィルター、そしてその下がSP武川製の純正交換タイプエアクリーナーフィルターです。
純正と比べてもその吸入面積の大きさの違いは一目瞭然です。
ちなみにその左側にあるのは粗目エアクリーナーフィルターで、赤い枠に最初からはまっている細目エアフィルターと交換して使うとのことです。
今回は細目のまま行きましょう。
本来ならば純正交換タイプのエアクリーナーではなくスロットルバルブに直接取り付けるむき出しタイプのいわゆるキノコエアクリーナーの方がビッグスロットルの恩恵をより活かすことができるのでしょうが、あれを付けると雨の日やほこりの多い未舗装地は走れなくなるのでこれで十分です。
乗るのに気を遣うカブなんて私はイヤですからね。

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とりあえずエアクリーナーを組み替え、さらにバラした外装もすべて元に戻して取り付け作業は完了です。
パッと見はたいして変わりませんね(そりゃそうだ)
ここまでかかった時間は約10時間でした。
この時点で夜7時くらいでした。
お昼?食べてませんよ。
とりあえずバラして組付けて元に戻すのに無我夢中でした(途中小休憩はしました)。
実際の燃調補正は明日行いましょう。

で、翌日の1月3日です。
この日も朝から作業です。
といってもあとはサブコンに燃調補正プログラムをインストールするだけですが...。

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SP武川のホームページからサブコンセッティング用アプリをGoogleプレイ経由でダウンロード(無料)し、そのアプリ内で車種別燃調マップをダウンロード(有料:約600円)し、それをサブコンとBluetooth接続してインストールするというものです。
ちなみにダウンロードできるセッティング用アプリは「イージー」と「エキスパート」の2つあり、イージーだとプリセッティングマップ、すなわち最初から入力された燃調マップが多数あってセッティングが楽な内容になっております。
逆にエキスパートだとプリセッティングマップが少なくて代わりに非常に多くの項目を自分でセッティングできるハードチューナー向けの内容になっております。

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まあ私は燃調初心者なのでお手軽セッティングできるイージーの方で行きます。
もちろん、プリセッティングのマップでも後から個別でいじくることができます。
ちなみにイージーだと車両のエンジンに組み込まれたパーツの組み合わせごとに違う14種類のプリセッティングマップが用意されています。
今回はその中で比較的自分の相方の状態に近かった「ノーマル排気量+ビッグスロットル+ハイカム」の燃調マップをインストールします。
ハイカムはまだ組んでいませんが...。
これで出走準備完了です。
あとはエンジンが問題なく始動し、暖気後アイドリングが規定の回転数で安定していることを確認します。

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※画像は過去の写真です

さて、実際に走らせてみた感想ですが...、
特に低・中回転域において飛びぬけて劇的な変化、というものはありませんが、明らかに違うと言えるのは高回転域です。
具体的に言えば3速・4速で60㎞/hほど出している時、道の流れに乗るためにもう少し伸びが欲しいと思っていたここから先の速度域での加速が明らかにより力強いものになりました。
気が付けば「あれ?こんな簡単にスピード出たっけ⁇」というくらいの勢いで伸びていきます。
まあそれもそのはず、吸排気の速度が遅いノーマルであれば確かに低・中速域はそれなりに力強く走ってくれますが、それ以上は良くも悪くもカブらしい性能で走るところ吸気も排気も明らかに通りの良いものになったので高速域がより力強いものになったというのは明白なものです。
まあ、現在はハイカム用の燃調マップをそのまま使っているので、本当の意味での完全な状態にしたければここはハイカムを組んでエンジンの高回転域をより有効に使える様にしてやらないといけませんね。
もうそれは諸般の事情でお店に頼むしかありませんが...。
ちなみに排気量を上げるまでしなくても、組み込むだけでエンジンの圧縮比を上げてパワーアップが図れる「ハイコンプピストン」というものを組めば全域で力強さが大幅に増します。
しかしこれを組むと燃料がハイオク指定になるうえ、クランクシャフトにかかる負担がさらに増えるのでクランクシャフトを支えるジャーナルを増やさないとエンジンの寿命が縮む原因にもなってしまいます。
私はさすがにそこまでやるつもりはありません。
ハイオクを入れないと走らないカブってどーなのさって思っていますので...。

さて、今回の「相方怪造計画!」はいかがでしたでしょうか。
正直「インジェクションよりキャブレターの方が単純でセッティングがしやすかった!」という方もいるかもしれませんが、こうやってプリセッティングマップを付けたポン付けサブコンが販売されるという事でインジェクションチューニングもだいぶ敷居が下がっているのではないかと思います。
セッティングもパソコンじゃなくてスマホでできますしね。

今回の記事はその辺りにご興味がある方の参考になればと思います。
それではまた次回!

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